氷の王子の、溶けない独占欲。



雨の音に混じって聞こえたその言葉に、私はパチパチと瞬きをした。








「でも……私が入ったら、遠崎くんが濡れちゃうよっ……?」




「いいから入れって言ってんだろ。あいつらがジロジロ見てて邪魔臭い」








遠崎くんは、昇降口で遠巻きにこちらを見ている他の生徒たちを不機嫌そうに睨みつけながら、私を促した。




どうして見られているのかは分からないけれど。








「……濡れて風邪引きたいわけ?」


「うっ、ううん、引きたくない……!」








私は、慌てて遠崎くんの持つネイビーの傘の下へと飛び込んだ。




頭上の傘を叩く、激しい雨の音。




それと同時に、あの心地いいシトラスの匂いが一気に私を包み込んだ。