そう思って、私は雨を見つめて立っている。
すると、後ろから足音が近づいてきた。
バッグを肩にかけ、スッと折りたたみ傘を取り出した遠崎くんだ。
彼は私を一瞥すると、冷たい声で言った。
「何してんの。早く帰れよ」
「遠崎くん。えっと、雨が強いから弱まるまで待とうかなって。あっ、お先にどうぞっ!」
私が笑顔を作って手を振ると、遠崎くんは傘を持ったまま動きを止めジッと私のスクールバッグを睨みつけた。
「……お前、傘は?」
「え? あ、あははっ……実は、今朝うっかり玄関に忘れてきちゃって……?」
私が恥ずかしそうに頭をかくと、遠崎くんの目が呆れたような光を帯びた。


