やがて1時間が経ち、時計の針は5時を回った。
「桜庭、それ終わったらこっち来て」
「はーい!」
遠崎くんに呼ばれてカウンターに戻ると、そこには真新しい小説が何冊か並べられていた。
「新刊にこの透明なフィルムを貼る。空気が入らないように定規を使って少しずつ」
「あっ、私これ、中学の時にもやったことあるよ! 任せてっ!」
私は少しでも役に立ちたくて、少し得意げにフィルムを手にとった。
遠崎くんは私の言葉に、席を少し譲ってくれた。
私は遠崎くんのすぐ隣の椅子に座り、真剣にフィルムを貼り始める。
トントン、と綺麗に定規で空気を抜きながら貼っていく。
……うん、我ながら完璧っ……!

