「……お前」
遠崎くんは、片手で顔を覆うようにして、私からスッと視線を逸らした。
低く、少し掠れた声が、彼の指の隙間から漏れ出す。
「……朝からそういうの、やめろ」
私が首を傾げると、彼はいつも以上の塩対応オーラを全身から放ちながら、冷たく言い放った。
「お前といると目立つから話しかけるなって言っただろ。早く自分の席に戻れ、バカ」
「あっ、……ご、ごめんね……っ!」
学校では迷惑だったみたい。
でも、学校以外じゃ接点ないもんね。
私は少しシュンとしながら「じゃあ、放課後ね」と小さく告げて、自分の席へと戻った。
……って、あれ?
私といると目立つってどういうことだろう……?
それに、遠崎くんは1人でいても目立つもんね。
私の席に戻るなり、陽葵が机に突っ伏してプルプルと震えていた。

