「遠崎、くん……」
口の中で、その名前をそっと呟いてみる。
遠崎 優弥。
誰もが振り返るようなツヤのある黒髪。
切れ長の涼しげな目元に、整った鼻筋。
そんな美貌を持つ彼は、入学早々「学校一の王子様」として女子の間で噂の的になっていた。
けれど同時に ”氷の王子” とも呼ばれている。
誰に話しかけられても、視線すら合わせずに「別に」「関係ないだろ」の一言で切り捨てる、塩対応な男の子なのだ。
廊下を歩きながら、胸のドキドキが止まらない。
あんなに人気な男の子と、2人で図書室の当番だなんて。
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