「ゆら……! 自分が今どれだけスゴイ発言したか分かってる!?」
「えっ? な、何が……?」
「あのね! 遠崎くんは女子がわざと目の前で消しゴム落としても無視。転んでも『邪魔』って避けるような、筋金入りの女嫌いなの! なのに、後ろから支えたぁ!?」
陽葵の必死な解説を聞いても、私は「そうなんだ」としか思えなかった。
「図書室の本が傷つくのが嫌だったんじゃないかな? 委員会の仕事、すごく真面目そうに──」
「そんなわけないでしょー!!」
言葉を遮って陽葵が頭を抱えて叫んだ、その時。
ガタッ、と前方の教室のドアが開いた。

