氷の王子の、溶けない独占欲。









「そうだ、図書委員! ねえ、昨日が初めての当番だったよね? ってことは……あの遠崎 優弥と、放課後2人きりだったってこと!?」








陽葵のテンションが、一気に跳ね上がる。


身を乗り出してきた陽葵の顔が近くて、私は思わず苦笑いした。








「うん、そうだけど……」




「すごい! 学校一の氷の王子様と密室で2人きりなんて、全女子の憧れだよ!? 何かあった? 冷たくされて泣いたりしなかった? あ、でもゆらは可愛いから優しくされたりして……!」








陽葵は自分のことのように興奮して、両手を合わせながら妄想を膨らませている。


私は慌てて、人差し指を唇に当てた。








「陽葵、声大きいよ? それに、何も特別なことなんてなかったし。噂通り、すっごくクールな人だったな。……挨拶しても『うるさい』って言われちゃったし……」




「うわ、やっぱり……。挨拶すらシャットアウトとか、相変わらずガード固すぎだなあ、遠崎くん。あの顔で少しでも愛想が良ければ世界を救えるレベルなのに」








陽葵は呆れたように肩をすくめる。