氷の王子の、溶けない独占欲。





下から見上げる形になった彼の切れ長の瞳が、驚いたように微かに大きく見開かれている。






わ、本当に少女漫画みたいに整った顔だあ。


間近で見ても、肌がすっごく綺麗……!






不躾にジロジロ見たら失礼かなと、思いつつも、私はその美貌に見惚れてしまっていた。


そんな私の視線に気づいたのか、遠崎くんの喉仏が小さく動く。








「……お前、バカなの」








しばらくの沈黙の後、遠崎くんが低く、地を這うような声で呟いた。


なぜかその耳の先端が、夕日のせいだけではないように、ほんのりと赤くなっている気がする。








「え?  バ、バカって……! 今のはただ、手が届かなくてっ」




「そうじゃなくて……」








遠崎くんは、はあ、と深く呆れたようなため息をつくと、ゆっくりと私を解放するように一歩後ろへ下がった。