氷の王子の、溶けない独占欲。





ドサリ、という衝撃の代わりに、私の背中に、がっしりとした、温かい何かがぶつかった。








「……っと。危ねぇだろ、鈍臭い」








耳元で、低い声が聞こえた。


開いた目の前にあったのは、私の体を後ろからすっぽりと包み込むようにして伸ばされた、遠崎くんの長い腕。




私の背中は、彼の広い胸の中に完全に閉じ込められていた。







「……え?」








何が起きたのか分からなくて、私はパチパチと瞬きをした。




私の背中にぴったりと寄り添うように重なっているのは、遠崎くんの体だ。






彼は私の頭の上へすっと腕を伸ばし、私が落としかけた本を、綺麗な長い指で何事もなかったかのように棚の奥へと押し込んでくれた。