「せっかくだし、最初は二人で撮りなよ。最後にみんなで撮ろう!」
そう言って、柚乃ちゃんがすっと横に抜けた。
え?
二人で?
「ちょ、柚乃ちゃん!?」
呼び止める間もなく、柚乃ちゃんはお母さんたちのところへ行ってしまった。
どうしよう。
碧くんと、二人きり。
そう思った次の瞬間。
ぐいっ。
「……えっ!?」
碧くんの手が、私の腰に回った。
そのまま、そっと自分の隣へ引き寄せられる。
「なっ……!?」
顔が、一気に熱くなった。
ち、近い!
近すぎるよ、碧くん!
「ほら、カメラ見ろよ」
碧くんは私の耳元でそう囁くと、何事もなかったかのようにピースをした。
……ずるい。
こんなの、意識しないほうが無理だよ。
「は、離してよぉ……」
小さな声で抗議してみる。
すると、碧くんは私の顔をちらりと見た。
「なんで?」
「な、なんでって……!」
「写真撮るんだろ」
「そ、そうだけど……!」
「じゃあ、いいじゃん」
そう言って、碧くんは少しだけ私を引き寄せた。
ひゃっ!?
心臓が、壊れそう。
なのに、碧くんは涼しい顔をしている。
……本当に、ずるい。
「はい、チーズ!」
カシャッ。
シャッター音が響いた。
「撮れたわよー!次はみんなで撮りましょう!」
ママの声に、ようやく碧くんの手が離れる。
ほっとしたような。
……少しだけ、寂しいような。
「小春」
みんなで写真を撮るために移動しようとしたとき、碧くんに呼び止められた。
「な、なに?」


