教室でのホームルームも終わり、帰り道。
私たちは家族と合流して、入学式の看板の前で写真を撮るために並んでいた。
「小春、碧先輩に釘付けだったね」
隣で柚乃ちゃんが、にやにやしながら私の顔を覗き込む。
「えっ!?そ、そんなことないよ!」
「うそ。気づいたら式が終わってた、って顔してたもん」
「うぅ……」
さすが柚乃ちゃん。
昔から一緒にいるだけあって、私のことはなんでもお見通しだ。
だって、仕方ないじゃない。
久しぶりに見た碧くんは、背がすごく高くなっていて。
声も、雰囲気も、前よりずっと大人っぽくなっていた。
かっこよくて、まぶしくて。
まるで、私とは違う世界の人みたいだった。
……これが、高校生なんだ。
「小春、碧くんと同じ高校に入れてよかったわね」
ママが、微笑ましそうに私を見た。
「うん!」
「碧くん、二年生になってから生徒会長になったみたいよ。それに、塾にも通い始めたんだって。忙しそうにしてたわ」
「えっ!? なんでママ、そんなこと私に教えてくれなかったの!?」
思わずママに詰め寄る。
だって、そんなの初耳だよ!
生徒会長!?
碧くんが!?
「だって、碧くんが小春には内緒にしておいてって言ってたんだもの。同じ高校に入るだろうから、会ったときの楽しみにしてほしいって」
……え?
碧くんが?
「……もう」
思わず、頬が緩んでしまう。
碧くんの、ばか。
そんなの、ずるいよ。
会いたいって、ずっと思ってたのに。
会えない間も、碧くんは私の知らないところで頑張っていたんだ。
そう思うと、なんだか嬉しくなった。
「でも、そんな碧くんにすぐ会えるわよ」
「え?」


