「暖かな春の光が心地よい今日この頃、ご入学された新入生の皆さん、そしてご家族の皆様、本日は誠におめでとうございます。在校生を代表し、心よりお祝いと歓迎の言葉を申し上げます」
すらすらと、難しい言葉を並べながら話す碧くん。
その声は落ち着いていて、いつもより少しだけ大人っぽく聞こえた。
……すごい。
かっこいい。
私の知っている碧くんなのに、知らない人みたい。
小さい頃は、私より少し背が高いだけだったのに。
いつの間に、こんなに大きくなったんだろう。
いつの間に、こんなにかっこよくなったんだろう。
知らなかった碧くんの一面を見て、胸がきゅうっと締めつけられた。
さっきまで眠かったはずなのに、今はもう、眠気なんてどこにもない。
私は壇上の碧くんに、すっかり釘付けになっていた。
……もっと見ていたい。
もっと、碧くんのことを知りたい。
そんなことを考えているうちに、いつの間にか式典は終わっていた。


