それでも、キミだけは

翌朝、学校に行くと、予想通り、昨日授業中に寝ていたことを、いろいろ言われた。
「お前、昨日授業サボっただろ!よく先生がいるのにサボれたなぁ~」
「ほんと、どういう神経してんだか。よく堂々とサボったな?まぁ、今日はさせないけど!」
「なぁなぁ、お前ら、今日、授業の問題、全部小崎に当ててやらね~?」
「ははっ。いいじゃん。それ、ウチも乗った~!ウチは、小崎の後ろの席だから、髪でも抜いてやろうかな~?」
「いいじゃん、こっちゃん。ナイスナイス~!」
クラスの男子と、女子たちが話していた。
うちのクラスで、男子と話していいのは、自然に決まったスクールカースト上位の女子だけ、っていう、暗黙の了解があった。
こっちゃん、こと、琴音(ことね)さんは、お金持ちで、美人で、勉強も音楽も運動もできるっていう、ハイスペック女子。
みんな、お嬢様で何でもできる琴音さんのことを尊敬して、集まってできたグループだ。
そんなグループの中でも、特に派手で明るい陽キャの子たちのグループが、琴音さんの所属する一軍。
それには入れなかった、だけど、一軍のメンバーをほめたりして気に入られていて、かつちゃんと話題に溶け込めている少しおとなしめのほんわかした二軍。
それには入れないけど、ちゃんと話には混じるし、当てられたら話せる子たちの集まりが三軍。
それに入らない、けど反抗しない、読書や勉強が好きな子たちの四軍。
……そして、私以外だれもいない、イジメられている、五軍。
そんな感じで、女子のスクールカーストは結成されている。
っていうのは、一時期掲示係によって教室に張られていた紙を見ただけなんだけど。
まぁ、私でも感じるってことは、相当だわ。
でも、私には関係ない。
こういう人たちは、有言実行タイプだから、本当に私に話を振ってきそう。
髪抜く、っていうのも本当だろうな。
今日は気をつけなきゃ、と思いながら、髪をお団子に結ぶ。
お団子なら、抜きにくいかな?
と思って、髪を結んだあと、当てられた時のために勉強をする。