私には奈緒っていう名前があるんだけどなぁ……。
お母さんとお父さんがつけてくれたこの名前が、存在感をなくして消えていくような錯覚がする。
そんなわけないけど、この名前が、消えていくような……そんな感じがしてしまう。
……いつか、この名前はなくなるのかな。
そう考えながら、聞き流していた。
「障がい者!本当、お前ってやつは……!」
もうやだ。
聞きたくないよ!
と思うけど、ちゃんと、一応あやまっておいた。
「すみません……。以後気を付けます……」
ご飯がもったいないなぁ。
お母さんたちは何を食べるんだろう。
「もう、お前は……!金も、育てたことも、全部無駄にしやがって……!今日だって、俺がまたメシを買いに行かなきゃいけねぇんだろ⁉お前の分はないからな!今すぐ目の前から消え失せろ!」
「はい……すみません……」
お皿洗いをして、夕飯を食べることをあきらめ、自分の部屋に向かう。
……ふぅ。
自分の部屋があってよかった。
そこに逃げ込めば、誰も追ってこないから
そう、安心できた。
よかったぁ。
今日は、お風呂に入るのも無理そうだな。
まぁ、どうでもいっか。
どうせ、お風呂に入っても、入らなくても、私は嫌われ者。
なら、どうだっていいでしょ。
パジャマに着替えて、歯磨きもあきらめ、布団に入った。



