それでも、キミだけは


私の髪が、床に広がに血はついていない。
髪を抜いた、琴音さんも開いた口が塞がらない。
数学の先生も、さすがに何かあったと察したそうだ。
「おい、小崎……その髪、どうしたんだ?」
名前まで覚えてないけど、数学の男の先生が、異変を感じた……らしい。
私がアワアワしていると、代わりに琴音さんが話してくれた。
「なんか、小崎が時間余って、頬杖をついたときに、指が髪に引っかかって、抜けちゃったらしいです」
……ちょっとこれは無理すぎないか?
代わりに答えてくれたことには、感謝だけど……説得力、なくない?
先生のほうも、唖然としちゃっている。
というか、授業中に頬杖って……。
もうちょっとマシなこと言ってほしいのと、私の成績が下がるからやめてほしい。
ど、どうしよう……。
頭の中で、ぐるぐると考えを巡らせていると、
「小崎、一度保健室に行っておいで。生徒手帳に写真は入っているだろう?一気にここまで抜けました、と言って病院に行っておいで」
あぁ、病院かぁ……。
いやだけど、行くしかないか。
「はい。行ってきます、……そのまま行くと思うので、鞄を持って行っていいですか」
「あぁ、行っておいで。――それじゃ、続きから入るぞ。この問題を……」
とりあえず、保健室に行くしかない。
でも、授業で当てられなくてよかったなぁ。
特に、国語とか。
そんなことを考えながら、保健室届を受け取って荷物を鞄に詰めた後、私は教室を後にした。