それでも、キミだけは

「――起立。礼、お願いします」
「「「「「お願いします」」」」」
チャイムが鳴り、授業が始まるため、挨拶をする。
そのあとに、やり方を説明されて、演習問題を解いた後に、先生がランダムに生徒を当てて、答えを発表する。
多分、今日はその時に当てられるのだろう。
だから、そのときまでに、今日の内容を完璧にしなくてはいけない。
教科書を開いて、先生の説明をすっ飛ばし、一人でどんどん進んで応用問題まですすむ。
――よし、これだけやれば、プリントは解けるだろう。
プリントを解く時間は、まだ十分にある。
解き終わった、と後ろに伸びをしたとき、頭が後ろに引っ張られた。
プチプチプチプチッ。
髪の毛が大量に抜けた。
だけど……痛みはない。
え……なんで?
足元を確認すると、ズルッと私の髪が落ちていた。
頭を触ると……すごく薄くなっている。
もう、ほとんどないみたい。
痛みもないって……抵抗もなく、髪が抜け落ちてしまった。
――お母さん譲りの、唯一の、接点が。
足元で、散っている。
それは……あっけなかった。