ーー学校では、子供を救ったことで玲奈はちょっとした話題の人になっていた。
他のクラスの生徒が時折、その『時の人』をひと目見ようと廊下の窓から覗きにやってくるほどだった。
隣では、友人のマキが他クラスの生徒たちに視線を向けたまま、玲奈の肘をツンツンと突く。
「ほら、玲奈。田中くんも見にきているよ」
廊下から玲奈を見つめている男子二人組の一人、『田中』は、女子から圧倒的な人気を誇るバスケット部のエースだった。
マキは意地悪な表情を浮かべると、マイクを見立て握るような格好で、玲奈に質問をする。
「もしこのまま、田中くんに交際を申し込まれら、玲奈さんはどのように答えますかー?」
突然差し出されたマキの手に、玲奈はあり得ないことだと照れて顔を赤くしてしまう。
そんな和気あいあいとした空気の中、近くの席から別の友人の冷めた声が聞こえてきた。
「でも田中くん、顔はいいんだけどさ……家族に障害のある弟さんがいるんだって。万が一付き合って結婚でもしたら、将来その人の面倒とか見なきゃいけないのかなって考えちゃうよね」
玲奈は、そんな言葉を聞きたくなかった。
他のクラスの生徒が時折、その『時の人』をひと目見ようと廊下の窓から覗きにやってくるほどだった。
隣では、友人のマキが他クラスの生徒たちに視線を向けたまま、玲奈の肘をツンツンと突く。
「ほら、玲奈。田中くんも見にきているよ」
廊下から玲奈を見つめている男子二人組の一人、『田中』は、女子から圧倒的な人気を誇るバスケット部のエースだった。
マキは意地悪な表情を浮かべると、マイクを見立て握るような格好で、玲奈に質問をする。
「もしこのまま、田中くんに交際を申し込まれら、玲奈さんはどのように答えますかー?」
突然差し出されたマキの手に、玲奈はあり得ないことだと照れて顔を赤くしてしまう。
そんな和気あいあいとした空気の中、近くの席から別の友人の冷めた声が聞こえてきた。
「でも田中くん、顔はいいんだけどさ……家族に障害のある弟さんがいるんだって。万が一付き合って結婚でもしたら、将来その人の面倒とか見なきゃいけないのかなって考えちゃうよね」
玲奈は、そんな言葉を聞きたくなかった。



