あの日以来、玲奈の心からは彼の存在が離れなくなっていた。
現実に起きたとは思えないほど不思議な出来事と、陽炎のように現れて去っていった、あまりにも神秘的な青年。
そして、彼が最後に浮かべたあの寂しげな瞳が、どうしても頭から離れなかったのだ。
黒っぽい服を着た背の高い青年を見かけるたび、ハッとして後を追いかけては「違っていた」とため息をつく日々。
(……やっぱり、夢だったのかな)
事故の日を境に朝のゴミ置き場からカラスたちの姿も消えていたが、再び彼らが集まり始めたのは二週間後のことだった。
(またカラスが増えてきた……。今日はゴミの日じゃないのに、どこかから戻ってきたのかしら?)
ふと胸騒ぎを覚え、曲がり角を曲がった玲奈の目に飛び込んできたのは――ずっと探し続けていた、あの青年の後ろ姿だった。
やっと会えたはずなのに、いざ目の前にすると足がすくんで動けない。
玲奈は両足を揃え、直立不動のままその場に立ち尽くしていた。
それからというもの、毎朝学校へ向かう途中、決まって同じ場所に佇む彼の姿を目にするようになった。
彼は玲奈の姿を一目認めると、安堵したように静かにその場を立ち去っていく。
現実に起きたとは思えないほど不思議な出来事と、陽炎のように現れて去っていった、あまりにも神秘的な青年。
そして、彼が最後に浮かべたあの寂しげな瞳が、どうしても頭から離れなかったのだ。
黒っぽい服を着た背の高い青年を見かけるたび、ハッとして後を追いかけては「違っていた」とため息をつく日々。
(……やっぱり、夢だったのかな)
事故の日を境に朝のゴミ置き場からカラスたちの姿も消えていたが、再び彼らが集まり始めたのは二週間後のことだった。
(またカラスが増えてきた……。今日はゴミの日じゃないのに、どこかから戻ってきたのかしら?)
ふと胸騒ぎを覚え、曲がり角を曲がった玲奈の目に飛び込んできたのは――ずっと探し続けていた、あの青年の後ろ姿だった。
やっと会えたはずなのに、いざ目の前にすると足がすくんで動けない。
玲奈は両足を揃え、直立不動のままその場に立ち尽くしていた。
それからというもの、毎朝学校へ向かう途中、決まって同じ場所に佇む彼の姿を目にするようになった。
彼は玲奈の姿を一目認めると、安堵したように静かにその場を立ち去っていく。



