蓮華の太陽

 吹雪の中搔き消える様に俺は逃げた。問題があった?
 否最悪な事になった。俺はー、何かとんでも無い物を無くして気付いていなかった様だ。もう、サファイアの中に全ては置いて来たー。消える時間ですよ。
 いつか、戻れる筈。無くした筈の俺の事を奇蹟で思い出し、何もかも畏れろ感銘の縁に宵空に立って見て欲しいんだ。
 愛とか、美し過ぎるとか、戻れない迄の愛し合いのチカラを、もう忘れる事無き様に。俺はー、人では無かったんだ。可なり古い神で。人とは思えない、威形の人だったんだ。
 嬉しいよ、俺。でも哀しいよ。戻れなかったら良かったと仮定すると、俺は必ず君を抱き締めたかった。ごめんね。少し怖いミタマだった様だ。花吹雪、夜半。

 花は美しくも想い馳せていたー。 
イドーは太陽との会話をしていた男だ。愛にはゼヲンの方が詳しい。ゼヲンはミタマが一番で頭も良く半永久的に滅び等知らない男だ。
 其のゼヲンが或る時聞いた事だ。ミタマが実はイドーの方が秀でてはいないか?との野暮だ。
 美しさも、余裕の無さも、神らしく子供らしい。ゼウスが愛したのも、イドーの方が先ー!どっと笑い声が湧いた。
 ゼヲンは現れてやろうかと思ったが、ショックで出る事が出来無かった。しかも、おっと出て来ないかー、そう言う事、いつも聞いてる人だしー。ゼヲンは目を細め、暫く拳を握り、そして溜息を吐いた。
 ゼヲンと言う名の由来だった。ゼウスにも負けるなよだと忘れたか。イドーだろ。いずれ俺を踏み潰せる程になると再三みなに言われていた。可笑しいとは想っていた。俺は場数結構或るよ?しかも、絶対に勝つけど?
 独り言で美声が届き、帰るところではエンジェルと小姓が待ち構えて大丈夫ですかゼヲン様ー?お気になさらずー。
 花吹雪を舞わせてゼヲンは美貌、羽衣を招き舞った。
 美しいゼヲン、誰もが想う神、今此処に十六歳、永遠で御座います!怖ろしい美男だと其の尊き衣、美しい其の神格、最高位!!

 ハッ、バーカ。

 イドーは太陽が未知の神だと思っていた。全てを殺したり泣かせたり幸せにしたりする神で、沢山或りそうだと思っていた。一番の太陽はエデンのだろうか。違うのだろうか。ゼヲンより太陽は強いですかー。一切邪念は或りませんよねー?
 ふと神チカラについて考えたー。美しいとチカラが満ちていて、醜いと悪害になる。悪害ある頭も駄目だそうだ。少なくともエデンでは無さそうだ。そして、怖ろしい迄の美しい強さが必要だそうだ。
 太陽より上の神に、古い巨大神が今もいる。でも、負ける筈。ずっと輝ける訳無い。疲れたら、死んだり、想ったりしませんか。美しいのは、翳りが或る美昧だとも、俺想ったりします。

 全ての人がイドーを愛した。ゼウスだと。七十歳だと知っていて。みな愛したが気付かない。劣勢かとも言われた。違う。死霊がいて気付いたりした。誰も思わない事も或った。ゼヲンは知っていた。