「その前に受験だよ」
「優羽ちゃんは、大学どこ受けるか決めてる?」
「まだはっきりとは決めてないよ」
私と陽依ちゃんが話していると、「はい、席に着きなさい」
担任の氷上先生が教室に入ってきた。
生活指導担当で、かなり厳しいことで有名な先生だ。
先生の言葉に、席を立っていた子たちが慌てて自分の席に着いた。
「それじゃ、出欠確認します」
みんなが席に着いたことを確認すると、先生はひとりずつ名前を呼び始めた。
「日向くん。日向 彼方くん」
「…………」
それまで順調に進んでいたのに返事がなくて、先生が私の隣の席を見た。
私の隣の席は、このクラスで唯一まだ空席のまま。


