推しカプの邪魔はしたくないのに、何か間違えたようです

 そんな私の気持ちなど知るはずもなく、小森君は田中君をからかうのをやめると、今度は私に笑顔を向けた。

「そうだ。高梨さん、僕もよろしくね」 

「う、うん。よろしく」

「高梨さんが近くでよかった」

「え?」

「本の話できるから」

「あ……うん!」

 小森君とは、図書委員仲間で一緒に委員会に行くし、本の趣味も合う(BLは除く)。
 だから、小森君とは、ときどき本の話をする仲だ。

「健太君が、この前教えてくれた本、読んだよ」

「本当に? どうだった?」

「めっちゃ面白かった!」

「でしょ!? あの最後の――」

「ちょっと待った」

 横から声が割って入った。
 見ると、田中君が不満そうな顔をしている。

「何?」

「……お前ら、そんな仲よかったの?」

「まあ、本の話はするよ」

小森君がそう言うと、田中君は少し唇を尖らせた。

「ふーん、俺とは?」

「え?」

突然の問い掛けに私は、何のことだか分からずに固まった。

「俺とは話さないの?」

「…………」

 なんだろう。
 なぜか拗ねているように見える。

 そして、私は気づいた。

 ――まさか! これは……。
   嫉妬!?

 もちろん、私にではない。
 私と楽しそうに話している小森君を見て、田中君が嫉妬しているのだ。

 きた!
 席替え初日にして、早くもきました!

推しの表情が、嫉妬に変わるのを、こんなにも間近で見られるなんて……。

サイコーのご褒美です!

 腐の神様。
 今日の供給、ちょっと多すぎませんか!?