先生と拒否柴系女子

「ないない!新婦の元カレが披露宴でピアノ演奏とか、あり得ないって!どういう修羅場だよ」
 先生は笑い飛ばし、何故かホッとしている自分を感じた。
「俺は、子供の頃から野球少年だったからなぁ。野球はチームプレーだし、特に同じ野球部だった友達との絆は強いのかもしれない」
 私にはベッタリした友情は築けないし、築く気もないが、先生の話を聞いて、初めて、友情というものに憧れた。

 学校が夏休みに入ってすぐ、先生は友人の結婚式の為、一泊だけ帰省した。
 団地に戻ってきた先生に、
「ピアノのほう、どうだった?」
 尋ねてみると、
「無事に、ノーミスでやりきったよ。素人が必死で演奏してるのがよかったのかな?なんか⋯⋯みんな泣いてた」
「それはすごいじゃない!」
 “出来る子”だった私でさえ、ピアノで人を泣かせたことはなかったはず。