先生と拒否柴系女子

 まさか、先生のほうからそんなことを頼まれるとは思わなかった。
「私は構わないけど、何を弾きたいの?」
「それも悩むところなんだよなぁ⋯⋯。ナナ・ムスクーリが歌ってた“愛の歓び”が候補のひとつで」
「それはやめたほうがいい!招待客の中にフランス語がわかる人なんて恐らく居ないとは思うけど、あれ失恋の歌ですよ?」
「え!?俺、第二外国語は中国語だったから知らなかった⋯⋯止めてくれて助かったよ。うーん、何に変更しようかな」
「初心者だと、あんまり難しいのもね⋯⋯。もしよかったら、私も選曲考えるけど」
「それは有難いな。俺も考えてはみるけど、お願いしていい?」
「いいですよ」

 そんな経緯で、私は先生が友達の結婚式でピアノ演奏する曲を選び、それをピアノレッスンまですることになった。
 思いつく曲を、紙に書き出してみて、結婚式に不適切な内容でないかをチェックする。