クスッと小さく笑った彼に、はは…と顔を引きつらせながら半分残っている紅茶を口にする。
「えっと、氷雨くんは、その…幽霊が原因で寝付けられなくて、こんな時間まで起きているの?」
氷雨くんは静かに首を横に振った。
「家(うち)にやってくる来る人は皆、この世に未練を抱えている者がほとんどで、その解決の手助けをするために、この時間帯は起きてリビング(ここ)にいる必要があるんだ」
「未練?」
「そう。たとえば、家族に対して未練を抱えている人が、家族への伝言を頼まれたり、時には話を聞いてほしいと言われて、お菓子を食べながら話を聞いたり喋ったり……あ、でも幽霊(あいて)がお巡りさんに伝えなきゃいけないような事件が絡んでいた場合はちょっと大変だけどねぇ」
「ひぇっ」
「まぁとにもかくにも、昔から続く…怪奇現象なのか、不可思議なのか分からない謎現象が、東堂(この)家にはあってね。
ま、俺の親も弟も霊感あるから、何か因縁的なものがあるとは思っているよ。
あと、謎現象によって昔から存在する『しきたり』を守らないと、ちょーっと面倒くさいことが起こるからねぇ」



