氷雨くんは私の話を聞いた後、折り曲げた人差し指を顎に当てた。
「────なるほど。キミは幽体離脱して此処に来たんだね」
「…………ん? 幽体離脱?」
「あれ?もしかして気付いていない?キミは今、身体を置いて魂だけこちらに来ています」
「………えええええっ!?」
氷雨くんの口から発せられた衝撃事実に椅子から立ち上がってしまった。
ちょっと待って!
何で身体から脱出してんの私!?
……本当にどうした!?!?
「ああ、でも大丈夫。そのうちに身体に戻れるから泣かないで。ほら、お菓子でも食べて落ち着いて」
「本当に!?その言葉、信じてますからね…!?」
未知への不安を和らげたくて、やけ食いのごとくお菓子をずっと食べてしまった。
幽体離脱とか初めてなんですけど。
なんてこった。
……何か意識すると怖いからもう考えるのやめよう。
涙目で震えながら6個目のチョコクッキーをもぐもぐ頬張る私の様子を眺めていた氷雨くんが、急に申し訳なさそうな顔をした。



