午前2時の東堂さん家─夏宮星乃のミステリアスな日々。─



「勘違いしてすみませんでした…っ!わ、私は夏宮星乃と言います…!東堂くんと同じ中学二年生で…東堂くんにはお世話になっています!」


うわぁ、待って。テンパりすぎて上手く話せていない気がする…。喋りながら自覚していくものに若干泣きそうになっていると、氷雨くんがピクッと肩を揺らした。


「─────夏宮星乃?…もしかして、キミが澪央が言っていた2組の?」


「あ…そうですっ!」


質問に何度も頷くと、氷雨くんは柔らかく笑んだ。


「そっか。澪央から話を聞いてから、ずっと君に会いたいと思っていたから、会えて嬉しいよ。ここで会うとは思いもしなかったけど……元気そうで安心したよ」


最後に呟かれた言葉は聞き取れなかったけど、心の底から嬉しそうに笑う彼に心臓がドキッと音を立てた。


東堂くんと同じ顔をしているのに、中身は全く違う。


表情も、喋り方も、纏う空気も全然違う。


氷雨くんは、読みかけの文庫本をテーブルの上に置くと私を真っ直ぐ見て口の端を引いた。


「────それで、星乃ちゃん。キミは今、自分に何が起きているのか理解していないよね?」


「あ……ハイ、正直に言うと今も混乱しています。あなたと会うまでは夢だと思っていたんですが…夢じゃないんですか…?」


「あははっ、そうだよね。俺もキミが突然現れてビックリしたもん。…そう。キミの言うとおり、夢ではない。現実だ。キミがいるところは俺と澪央の家だよ」


「えっ…」


「そして、今の時刻は2時半を過ぎているよ」