「おかえり、星乃。東堂と何か進展でもあった~?」
戻ってきた私に莉々子が頬杖してニヤニヤしている。
完全に何かを期待している顔である。
でも、残念。莉々子の期待に添えられるような報告は何も無いの。
自分の席に着いてから東堂くんとは昨日の会話の続きをしていたことを伝えると、莉々子は残念そうに唇を尖らせた。
「ふーん、まぁそんな気がしてはいたけどさぁ……ねぇ、星乃は東堂のこと、どう思ってんの?」
「ど、どうって…優しい人だなぁと思ってるよ」
「まぁ、確かに優しいよね~ ていうかね、東堂と星乃が並ぶと美男美女でスッゴくお似合いなんだよねー」
「いやいやいやいや。ていうかそれを言うなら莉々子でしょ…」
「星乃、マジでかわいいから!! 自信持って!! あと、あたし、東堂のこと恋愛対象として見てないから」
「え、そうなの…?」
「うん」
莉々子の曇りなき瞳と嘘偽りの無い言葉に、ほんの少しだけ驚いてしまった。
莉々子も、もしかしたら東堂くんのことが好きかもしれないと思っていたから。
「だから、もし星乃が東堂のこと好きになったら全力で応援するからね!」
「!!」
「ふふふ」
「(莉々子ってば…東堂くんのことを好きになるかどうかも分からないのにそんな幸せそうな顔で…)」
そもそも誰かを好きになったことがないから、誰かに恋をする自分を想像することができないのだ。
……でも、もし、いつか好きな人ができたら、今みたいに莉々子に応援してほしいと思った。
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