だって、あの人気者の彼とだよ?
昨日初めて喋った私には、ハードルが高いよ。
そもそも人と喋るの得意じゃないし…。
「深く考える必要はないって、テキトーでいいんだよ!」
「適当でも何も思い浮かばないよぉ…」
「んも~!星乃らしいけど、じれったい!」
「(じれったい…???)」
酸っぱいものを食べたような顔で拳を握った莉々子に意味不明なことを言われて、さらにハテナが増えた。
まだ人が少ない教室で莉々子と談笑していたら、ドアの入り口の近くから女子の甲高い声が聞こえた。
……ん?何だろう?
莉々子もそれが気になったのか、私から後ろに視線を向けた。私もそれにつられるように、やけに騒がしい気がするドアを見てみると。
「…あ、いた。」
二組の教室を覗きながらそう呟いたのは、隣クラスの黒髪イケメンだった。
─────と、ととと東堂くんっ!?!?



