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夢を見たかどうかも分からない朧気な世界から目が覚めた。
視界に飛び込んできた自分の部屋の白い天井をしばらく眺めていると、ピピピピッ、頭上からアラームの音が聞こえた。
部屋中を響かせるものにゆっくりと手を伸ばして止める。
でもすぐには起き上がれなくて、枕元にあるスマホを起動させた。
────6時半。
真っ先に飛び込んできた現在時刻を確認した私は、しばらく弄った後に画面を真っ暗にさせて今度こそ体を起こした。
…きょろ、辺りを見回しても、部屋には私一人だけ。
この部屋に誰かがやってきた形跡は無い。
なのに、アラームが鳴る前に私を起こした声が、やけに耳に残っている。
冷たい床にゆっくり足を這わせる。
辿り着いたドアを開ける前にそっと瞳を閉じた。
それはまだ眠いからとかじゃなくて、先程耳にした言葉が何度も頭の中を駆け巡っているからだ。
“────おはよう、星乃”
「………おはよう」
余韻に浸るように思い出した声に、独り言のように小さく返事して、今度こそ自分の部屋を後にした。



