午前2時の東堂さん家─夏宮星乃のミステリアスな日々。─



「……兄貴、なんでそんなにニヤニヤしてんだよ…」


「だって澪央の嬉しそうな顔って滅多に見られないからさぁ」


「……今日、再会したんだよ」


「再会?誰と?」


「コイツ」


ズイッとスマホの画面を見せると、兄貴の表情が驚きに変わった。テーブルに両肘を乗せてスマホに釘付けになっている。


「星乃ちゃん、か。とても『懐かしい』名前だね」


「そうだな。…まぁ、俺の事は覚えていなかったけどな」


「……そっか」


困ったような、何とも言えないような笑みを浮かべた兄貴を見て、スマホを持つ手に力が籠(こも)った。


でも彼は取り繕うようにいつもの笑みを浮かべると、「今の星乃ちゃん、どうだった?」と聞いてきた。


「……そんなに喋った訳じゃないけど、あの頃と変わっていないように感じたかな。…まぁ、元気そうだったよ」


「そっか、元気なら良かった。ふふ、話していたら久しぶりに会いたくなっちゃったなぁ………ねぇ、澪央。明日にでもうちに遊びにおいでって誘ってきてよ」


「いや、昨日の今日でそれはいくらなんでも早すぎだろ…普通に無理。もし引かれたらどうすんだよ」