明日も、明後日も、その先も

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その夜、私は一人でバーにいた。

特別な理由があったわけじゃない。

ただ、家に帰りたくなかった。

お酒を飲んで、ぼんやりして、何も考えずにいたかった。

カウンターに座って、グラスを傾ける。

ふと、少し離れた席に座っている男性たちが目に入った。

男の人が何人か。

楽しそうに話していて、特に気に留めることもなかった。

そのまま視線を戻そうとしたときだった。

目が合った。

一瞬。

ほんの一瞬だったのに、息が止まった。

見間違いだと思った。

そんなはずないと思った。

でも、もう一度そちらを見ると、彼もこちらを見ていた。

〇〇だった。

何度も会いたいと思った人。

何度も忘れようとした人。

突然いなくなった人。

大好きで、大嫌いになりたくて、結局ずっと大好きだった人。

なんで。

どうして、ここにいるの。

頭の中が真っ白になった。

彼も、こちらを見たまま動かなかった。

驚いたような顔をしていた。

前より少し痩せた気がした。

着ている服も、腕時計も、昔と変わらない。

なのに、どこか違って見えた。

以前は何でも余裕そうだった人が、今は少しだけ疲れているように見えたからかもしれない。

でも、間違いなく〇〇だった。

彼の隣には、見覚えのない男性が何人かいた。

きっと、いつもの友達だろう。

私とは違う世界で、私の知らない話をして、私の知らない人たちと笑っている。

そんな彼を見ていると、急に現実に引き戻された気がした。

私は、彼の隣にいたことがあった。

でも、彼の世界にいたわけじゃなかった。

私も声をかけられなかった。

何を話せばいいのか分からなかった。

そんなとき、彼の連れの一人が席を立った。