Jour de neige

「それより先生⋯⋯私に構ってていいの?」
 他の子たちはどうするんだと思って問いかけると、
「ん?まぁ、そこはもう一人の先生が代わりに見てくれるよ。初級コースは、インストラクター2人体制だから」
 中上級に比べて初級は手のかかる子供が多いからということなのだが、実際に足手まといになっていたのは、初級でも私一人だけだった。

 結局、私は最後までリフトに乗ることはなく、他の子たちが滑れるようになる中、一人で雪だるまを作りながら、どうにかこの合宿をやり過ごした。
 合宿最終日。宿舎内で、友達から離れてひとりぼんやりしていたところ、
「どうにか乗り切ったね」
 インストラクターのお兄さんが声をかけてくれた。
「それは、先生のお陰だよ。だって、何が何でもリフトに乗れ!って言わないでくれたから⋯⋯」
「いやいや。僕もね、日本人独特の“皆と同じでないと”という同調圧力を嫌ってたのに、自分が大人になったら、結局は自分も皆と同じになってしまってた。忘れかけてた気持ちを思い出させてくれてありがとう」