「何話してんの? 男子二人でこそこそしちゃって」
不意に頭上から降ってきた澄んだ声に、ハルとシュンの肩が同時に跳ね上がった。
見上げると、いつの間にか女子グループから離れたアオが、ハルの机の横にちょこんと立っていた。ハルの数学ノートを覗き込むように、少しだけ首を傾げている。
「あ、アオちゃん。いやさ、ハルがさっき授業中に、どんなに恐ろしい『嵐』に襲われてたかって話を――」
「シュン!!」
ハルはガタッと椅子を鳴らして立ち上がり、シュンの口を物理的に両手で塞ぎにいった。シュンは「むぐむぐ」と笑いながらハルの腕を叩いている。
「嵐? 今日、天気いいのに?」
アオは不思議そうに窓の外の青空を見上げ、それからハルとシュンのドタバタ劇を見て、おかしそうに目を細めた。
「相変わらず二人は仲良しだね。あ、そうだハル、さっき貸したノート、ちゃんと写し始めてる? 次の時間は小テストだよ」
「えっ、小テスト!?」
ハルが素でうろたえると、シュンがハルの手を強引に振り払ってニヤニヤと口を開いた。
「大丈夫だってアオちゃん。ハルの頭の中、今は別の『テスト対策』でキャパオーバーだから。なぁ、ハル?」
「お前は黙ってろ!」
ハルはシュンの脇腹に肘打ちを食らわせながら、アオに必死の言い訳を絞り出す。
「う、写してる! 今ちょうど、アオの……じゃなくて、アオ『のノート』を開いたところ!」
危うくまた「アオ」と呼び捨てで、しかも変なニュアンスで口走りそうになり、ハルの心臓はまたしても嫌なビートを刻み始める。
アオはそんなハルの動揺には微塵も気づかない様子で、「もう、ハルってば本当に今日落ち着きないんだから」と、ハルの机に両手を突いて、ぐっと顔を近づけてきた。
「……? ハル、顔赤くない? 風邪?」
アオの綺麗な瞳が、すぐ目の前でハルを覗き込む。
その瞬間、シュンが背後で「おーおー、至近距離」と声に出さずに口パクで囃し立てているのが見えて、ハルは本当に頭が爆発しそうだった。
不意に頭上から降ってきた澄んだ声に、ハルとシュンの肩が同時に跳ね上がった。
見上げると、いつの間にか女子グループから離れたアオが、ハルの机の横にちょこんと立っていた。ハルの数学ノートを覗き込むように、少しだけ首を傾げている。
「あ、アオちゃん。いやさ、ハルがさっき授業中に、どんなに恐ろしい『嵐』に襲われてたかって話を――」
「シュン!!」
ハルはガタッと椅子を鳴らして立ち上がり、シュンの口を物理的に両手で塞ぎにいった。シュンは「むぐむぐ」と笑いながらハルの腕を叩いている。
「嵐? 今日、天気いいのに?」
アオは不思議そうに窓の外の青空を見上げ、それからハルとシュンのドタバタ劇を見て、おかしそうに目を細めた。
「相変わらず二人は仲良しだね。あ、そうだハル、さっき貸したノート、ちゃんと写し始めてる? 次の時間は小テストだよ」
「えっ、小テスト!?」
ハルが素でうろたえると、シュンがハルの手を強引に振り払ってニヤニヤと口を開いた。
「大丈夫だってアオちゃん。ハルの頭の中、今は別の『テスト対策』でキャパオーバーだから。なぁ、ハル?」
「お前は黙ってろ!」
ハルはシュンの脇腹に肘打ちを食らわせながら、アオに必死の言い訳を絞り出す。
「う、写してる! 今ちょうど、アオの……じゃなくて、アオ『のノート』を開いたところ!」
危うくまた「アオ」と呼び捨てで、しかも変なニュアンスで口走りそうになり、ハルの心臓はまたしても嫌なビートを刻み始める。
アオはそんなハルの動揺には微塵も気づかない様子で、「もう、ハルってば本当に今日落ち着きないんだから」と、ハルの机に両手を突いて、ぐっと顔を近づけてきた。
「……? ハル、顔赤くない? 風邪?」
アオの綺麗な瞳が、すぐ目の前でハルを覗き込む。
その瞬間、シュンが背後で「おーおー、至近距離」と声に出さずに口パクで囃し立てているのが見えて、ハルは本当に頭が爆発しそうだった。



