昨日までグレーに見えていた教室の景色が、アオが隣にいるだけで、まるで世界の色彩が一変したかのように鮮やかにきらめいて見える。そんな自分の変化に戸惑うばかりで、理屈抜きに高鳴る胸の衝動をどう抑えればいいのか分からない。
「……ハル? もしかして、ハルも聞いてなかった?」
アオが教科書を少し下げ、いたずらっぽくクスッと笑う。その無自覚な笑顔が、またハルの心を激しくかき乱す。
「いや、聞いてた、聞いてたよ! ええと、ここは確か……」
君しか見えないもどかしさの中で、ハルは必死に声を絞り出した。左手でノートの落書きを必死に隠したまま、右手で適当に教科書の数字を指さす。
「ここ、だよ。答えは……じゅう、はち……?」
「え? ハル、そこ、歴史の教科書だよ? 今、数学だよ?」
アオが目を丸くしたあと、声を殺してクスクスと笑い転げた。
焦るあまり、ハルが机の下から引っ張り出して開いていたのは、前の時限の歴史の教科書だったのだ。
「あ……」
完全にやってしまった。顔がカッと熱くなるのが分かる。
アオは楽しそうに肩を揺らしながら、「ハルってば、何考えてたの?」と、覗き込むように顔を近づけてきた。
「……ハル? もしかして、ハルも聞いてなかった?」
アオが教科書を少し下げ、いたずらっぽくクスッと笑う。その無自覚な笑顔が、またハルの心を激しくかき乱す。
「いや、聞いてた、聞いてたよ! ええと、ここは確か……」
君しか見えないもどかしさの中で、ハルは必死に声を絞り出した。左手でノートの落書きを必死に隠したまま、右手で適当に教科書の数字を指さす。
「ここ、だよ。答えは……じゅう、はち……?」
「え? ハル、そこ、歴史の教科書だよ? 今、数学だよ?」
アオが目を丸くしたあと、声を殺してクスクスと笑い転げた。
焦るあまり、ハルが机の下から引っ張り出して開いていたのは、前の時限の歴史の教科書だったのだ。
「あ……」
完全にやってしまった。顔がカッと熱くなるのが分かる。
アオは楽しそうに肩を揺らしながら、「ハルってば、何考えてたの?」と、覗き込むように顔を近づけてきた。



