ハルは慌てて、ノートの端の落書きを左手で思いっきり隠した。あまりの勢いに、机の上の消しゴムが小さく音を立てて転がる。
「え、あ……、こ、ここ?」
ハルはアオの差し出す教科書に視線を落とした。けれど、頭が完全にフリーズしていて、並んでいる数字や記号がただの幾何学模様にしか見えない。黒板の数式なんて、一文字も頭に入っていなかったのだ。
「……ハル?」
返事の遅さに、アオがさらに顔を近づけてくる。シャンプーか、あるいはそれ以外の何かか、彼女からかすかに漂う甘い香りがハルの鼻腔をくすぐった。胸の奥の変なビートが、いよいよ限界突破しそうなほど激しく鳴り響く。
昨日までの日常なら、
「そんなの自分で考えろよ」
なんて、ぶっきらぼうに、でも気安く言い返せていたはずなのに。
「あー、その、えっと……」
ハルは必死に頭を回転させようとするが、目の前の『Sunny day』の眩しさに、思考はただ白く染まっていくばかりだった。
「え、あ……、こ、ここ?」
ハルはアオの差し出す教科書に視線を落とした。けれど、頭が完全にフリーズしていて、並んでいる数字や記号がただの幾何学模様にしか見えない。黒板の数式なんて、一文字も頭に入っていなかったのだ。
「……ハル?」
返事の遅さに、アオがさらに顔を近づけてくる。シャンプーか、あるいはそれ以外の何かか、彼女からかすかに漂う甘い香りがハルの鼻腔をくすぐった。胸の奥の変なビートが、いよいよ限界突破しそうなほど激しく鳴り響く。
昨日までの日常なら、
「そんなの自分で考えろよ」
なんて、ぶっきらぼうに、でも気安く言い返せていたはずなのに。
「あー、その、えっと……」
ハルは必死に頭を回転させようとするが、目の前の『Sunny day』の眩しさに、思考はただ白く染まっていくばかりだった。



