朝、先生はいつものように家を出ようとしていた。 「行ってくる…」 「先生っ!!」 いきなり、ひき止めた私に、先生は驚いた顔をし私を見る。 「いってらっしゃい。」 先生の目を真っ直ぐに見つめ、笑うと、手を振った。 何かを感じ取った先生は、 「ああ、いってきます。」と、言って微笑んだ。 私は満面の笑みで先生を見送る。 久々に晴ればれとした気持ちだった。 わたしは、もう、迷わないよ。