先生は私の頭を撫でてくれた。


不器用に。でも、そっとそっと壊れ物にでも触れるかのように優しく。


でも、今、私は目を開ける訳にはいかなかった。


先生に、私の心が見透かされそうだったから。


だって、先生は私の心を読むのが上手だから。


今だって、私が起きていることに気づいてて、
それでも、先生は騙されてくれているんだと思う。


こうして頭を撫でてくれてるのは、
私に、何かあったんじゃないかって心配してくれてるんだよね


そして、先生は優しく囁くように言った。


「ゆっくり、おやすみ」


そう言うと、私の額にそっとキスをした。


気が付くと、私は本当に深い眠りについていたんだ。