今は休み時間。あと一時間で授業は終わりだった。
「あ〜、先生 兄妹喧嘩ですか?」
「仲いいんですね〜」
と、何も知らないみんなは、笑いながら通りすがりに言う。
こんな状況なので、先生は適当にあしらう
「あ、先生。次、授業ありますよね。早く、準備した方がいいんじゃないですか?」
ジャージ姿でホイッスルを頭からさげ、
無精髭をはやした年配の体育教師、園田先生が話しかけてきた。
さすがに、適当にあしらうわけにいかない先生は、
一瞬、私の手首を掴んでいた手を緩めた。
それを、待ってましたとばかりに、私は先生から逃げだすことができた。
とりあえず、自分の教室に逃げ込んで、次の授業を受ける為、国語の教科書を机の上に置いた。
そう、先生が授業するのは他のクラス
だから、この授業が終わったらダッシュで帰ろう。
帰ってから、後の事は考えよう。
その時は、そう思ってたんだ。
でもね…

