「ねえ、宮森さん。昨日の夜の事なんだけどね、宮森先生ったら強いのよ。もう、すっごぉいの。」
え…強い?
すごいって?
何が?
ふと私は思い出した。クラスメイトの言葉を…
『二人が仲良さそうに駅前のホテル街に 歩って行く姿見たんだって』
うそ…
やっぱり、二人はそういう関係なの?
今、泣きたくなんかなかった。それなのに…。
気づくと、私の目から、涙が
……こぼれていた。
知らなかった。涙って泣くのを我慢してても自然に出てくるものなんだね。
「あら、あなた…涙っ!?」
気がつくと、保健室を飛び出していた。
「ちょっと!あなたっ…宮森さん!!」
保健室から金沢先生の声が聞こえてきたけど、でも、私は構わず夢中で走っていた。
金沢先生の声が、届かないところへ早く逃げたかったから。

