昇降口にある下駄箱で、上履きに履き替え
教室へと向かう。
廊下を曲がった時、何かとぶつかった。
「いたぁ…」
鼻を擦り、何にぶつかったか見ると、
ぶつかったのは物ではなく、人だった。
その顔は、並みの女の子より綺麗で、目がクリっとして マツゲが長い。
「ご…ごめんなさい。」
いけない。つい見とれてしまった。
「こちらこそ、ごめんなさい。次 朝から移動教室だから急いでて。」
「じゃあ」と、にっこり笑い、彼は走っていってしまった。
彼とぶつかった場所に、手紙が落ちていた。
彼のきた方向を見ると、告白定番の非常口。
誰かから貰ったんだろう
宛先を見ると、
[ 2-7
瀬尾 光広(セオ ミツヒロ)様]
と、書いてあった。
2年じゃ同い年。その割りには幼いあどけない顔してたな。
次、移動教室って言ってたから、後で返してあげよう。
私は、手紙を自分のジャケットのポケットにしまった。
自分の教室に行って、京香と知代に 瀬尾くんとぶつかった事を話すと、
「あー、瀬尾ね。年上キラーだよ。告白した相手、3年じゃない?」

