「宮森も何か質問か?」


私に気がついた先生は、来た道を戻ろうとしていた私を呼び止めた。


先生と話していた女生徒に一瞬目を向けると、その子達も一斉に私を見る。


先生達の話を邪魔したくないし、特に用って話もない。


ただ、先生と話したかっただけだから。


「…いえ、別に。」


首を横に小さく振って、そう答えた私に先生は優しく目を細めると微笑んだ。


「遠慮すんな。
お前らはもう大丈夫だろ?」


「え!」


先に声をかけていた女生徒達は、不満を口にしたけど、先生に追い払われて渋々教室に戻っていった。