「何?何の話してるの?」 彼氏に手を振って、別れた京香が、こっちに駆け寄ってきた。 「花梨、最近キレイになったから、好きな人いるの?って話してたんだよ。」 「えー?花梨って好きな人いるの? 瀬尾君とか?キスされたとか言ってたし。好きになっちゃった?」 京香は、ウフフと含み笑いをしながら私を見る。 「瀬尾君!?まさか、違うよ。」 私は笑って、顔の高さで片手を左右にヒラヒラさせた。 「そっか。でも、好きな人できたらちゃんと教えてよ?」