私は、軽くデコピンされた自分の額に右手で触れ、先生を見上げた。 先生は微笑んで、こっちをみている。 「怒って…ないの?」 「怒る?気持ちがなければ、事故と一緒だろ? それとも、花梨は瀬尾の事好きなの?」 「そんな事あるはずないよ!!私が好きなのはっ…」 そこまで言って、悪戯っぽい笑みを浮かべた先生に気がついた。 「うん。好きなのは?」 「…馬鹿。知ってるくせに。」