だって。


だって、みんなが先生と金沢先生が、ラブホテル街を歩いてたって噂してたから……。


なんて、言えない。


「な…なんでもないです!!」


私は、顔真っ赤なまま。


慌てて顔の前で左右に、ぶんぶん右手を振る。


「ふぅーん」


金沢先生は無表情のままで、興味なさそうに言った。


私の様子に、気付かないのか、気付かないフリをしてくれているのかは分からない。


でも、良かったー。


これ以上聞かれなくて。