「そういえば、真山さんが言ってたんです。このコラボ企画が始まって以来、街でソルシエールの服を見かけると目で追っちゃうって。あんまり女の子を見てると不審者みたいですよって注意したんですけど、私も同じことしちゃってました」
「真山って、愛梨の上司の?」
「はい。入社当時からずっとお世話になってる先輩です」
真山には『通報されますよ』などとからかっておきながら、結局自分もついソルシエールの服に目を引かれている。それに気付くとおかしくて、愛梨はクスクスと笑いながら頷いた。
「……彼のことを話す時は、そういう顔をするんだな」
ぼそりと呟いた声は「お待たせいたしました」とパスタを持ってきた店員の声によってかき消された。
「せっかくだし、各フロアを見て回るか」
「そうですね」
食事を終え、エレベーターではなくエスカレーターで下の階に下りた。カタセとソルシエールはどちらも本館に入っているため、連絡通路を渡る。



