すごいなぁとため息交じりに繰り返した愛梨を見て、理人は小さく微笑んだ。
「うちの服が選ばれているのは、〝この服を着た自分は魔法がかかったお姫様みたいに可愛く綺麗になれる〟と思ってもらえているからだ。買ってくれた人に『頑張って買ってよかった』と思ってもらえないと、次は選ばれない。デザインや素材のよさはもちろん、その期待を裏切らないように、うちの世界観を崩さないように、毎シーズン必死なだけだ」
ごく当たり前のように彼は言う。その必死の努力こそが、ソルシエールが選ばれている理由なのだ。
ブランドの歴史やネームバリューに胡座をかき、これまでと同じことをしていれば売れるはずだという驕った考え方のカタセの重役たちに聞かせてやりたい。
カタセだって、品質のよさや子供のことを第一に考えた安全性など、自慢できる点はたくさんある。だからこそ、時代に取り残されて衰退していくなんて見過ごせない。
「私も、もっと頑張らなくちゃ」
決意を新たにしていると、注文したサラダが運ばれてくる。それを取り分けながら、愛梨はふとあることに気付く。



