「ソルシエールの服はデザイン性も物語性もあってめちゃくちゃ可愛いけど、子供服に落とし込むとなるとどうしても難しいわね。腕の可動域とか首周りのデザインとか、このあたりを変えちゃうとソルシエールっぽさがなくなっちゃいそうだし」
「やっぱり、完全にお揃いってわけにはいかないよね」
デザイン部の美嘉の意見に耳を傾けつつ、愛梨もサンプルを手にとってみる。
女性なら誰もが憧れるブランドのワンピースは、やはり上品で可憐さがある。縫製もしっかりしていて、女性の身体のラインを美しく魅せるカッティングは素晴らしく、高価格帯にもかかわらず業績を伸ばすという快進撃を続けているのも納得のブランドだ。
「まず素材が無理よね。小学校高学年向けラインだけならともかく、サイズ展開は80から考えてるんでしょう?」
「カタセの購買層を考えたら、やはり祖父母の存在は外せません。この月齢のサイズは必須だと思います」
「そうなると、自宅で洗えないのは論外ですよねぇ」
今回のコラボ企画にあたり、発案者で開発企画部の愛梨やデザイナー部の美嘉をはじめ、MDや営業も入社五年目前後の比較的若いメンバーでプロジェクトチームが編成された。そのため、会議でも皆が臆せずに意見を出し合うことができている。
そうして様々出てきた意見を徐々に纏めていき、来週に控えている二度目のプレゼンに備えるのだ。



