翌日。愛梨は理人の運転する車でイズミ百貨店へと向かった。
イズミ百貨店は九十年以上の歴史を持っており、昭和初期の建築美や老舗ならではの品格、次世代カルチャーの発信など最先端のおもてなしを融合させた、この地のランドマーク的な商業施設だ。
立体駐車場に車を止めて館内に入り、まずは十階にあるレストランフロアで昼食をとることにした。
「希望の店はある?」
「理人さんは、食べたいものありますか?」
「いや。好き嫌いはないから、愛梨の好みに合わせるよ」
「じゃあ、新館にあるイタリアンのお店はどうですか?」
イズミ百貨店には本館と東館、そして昨年オープンした新館があり、その新館にテナントとして入っているイタリアンレストランが好評らしい。
代官山と銀座にも店舗を構えているが、まだ未就学児の朝陽を連れて行くには少し敷居が高く、なかなか行く機会がなかったのだ。
「あぁ、たしか話題になってたな。行ってみようか」



