そう言って背中を向けた理人を、愛梨は黙って見送る。 (ふたりで出かけるなんて、パーティーに出席した日以来だ) なんとなくそわそわする気持ちを持て余し、愛梨はその場でコーヒーをひと口飲んだ。 話せば話すほど理人の人となりが見えてくる。もっと色んな話をしてみたいという感情が湧いたが、彼はそれを望んでいないだろう。 互いに干渉し合わない、愛のない結婚。それがこの生活の条件なのだから。