ここ数日、役員との会議に時間を取られたせいで、あまり進まなかったのだ。
「うーん、どれも既視感があるんだよね。これだっていうアイデアが浮かばない……」
どんなアイテムを作るか、動くことで美しさを表現するにはどうしたらいいのか。これまでも企画に行き詰まることはあったが、今回はさらに頭を悩ませていた。
このコラボ企画の成功を足がかりにカタセの再興を目論んでいるためか、いつも以上に肩に力が入っているのは自覚していた。どれだけ考えても空回りしている気がして、焦りばかりが増していく。
『これまでカタセが作ってきたパターンでなにが悪いんだ』
『流行を追ったデザインにして、うちの品格を落とすような真似はしないでほしいね』
そんな保守派の重役たちの声が脳裏で反響し、愛梨は堪らず立ち上がった。
「ダメだ、ちょっと休憩しよう」
時計を見ると、まもなく日付が変わろうというところ。両手をグッと天井に向けて伸ばし、ガチガチに固まった肩を回しながら自室を出る。



